訪問看護の集客方法 医療機関・ケアマネ営業と専門性で選ばれるステーションになる
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訪問看護の集客方法 医療機関・ケアマネ営業と専門性で選ばれるステーションになる

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

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訪問看護の集客は、訪問介護とは前提が異なります。訪問看護は看護師による医療的なケアを提供するため、主治医の指示書が必要で、利用者の多くは病院の退院支援やケアマネジャー、主治医を通じて紹介されます。つまり、一般の消費者向け広告よりも、地域の医療機関や居宅介護支援事業所への営業が集客の中心になります。訪問看護の世界で「集客」が「営業」と呼ばれることが多いのも、この構造を表しています。

この記事では、訪問看護ステーションの集客を「医療機関との連携」「ケアマネへの営業」「専門性による差別化」「利用者の離脱防止」「看護師の採用」という訪問看護ならではの軸で整理します。訪問介護とは違う、医療職ならではの集客設計をまとめます。在宅の介護側の集客は訪問介護の集客方法で別途整理しています。

訪問看護の集患構造 医療機関との連携と専門性が軸

訪問看護ステーションの経営は、どれだけ安定した紹介を得られるかに左右されます。利用者が直接ステーションを探して申し込むことは少なく、その多くは医療機関やケアマネを経由して紹介されます。主治医の訪問看護指示書がなければサービスを始められないため、医療との結びつきが構造的に強いのが特徴です。

紹介元は大きく分けて、病院の退院支援部門、地域の主治医(クリニック)、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの3つです。入院していた患者が在宅に戻る際に退院支援から紹介される流れ、かかりつけ医が在宅療養の患者に訪問看護を指示する流れ、ケアマネがケアプランに訪問看護を組み込む流れ、それぞれが利用者の入口になります。どの紹介元との関係を築けているかが、依頼の安定を決めます。

また、訪問看護には医療保険と介護保険の両方の利用があり、利用者の年齢や疾患、状態によって適用が分かれます。一般に、要介護認定を受けた高齢者は介護保険が中心となり、ケアマネのケアプランを通じて利用が始まります。要介護・要支援の認定を受けている場合は原則として介護保険が優先されます。ただし、厚生労働大臣が定める疾病等(いわゆる別表7など)に該当する場合、急性増悪などで特別訪問看護指示書が交付された期間、精神科訪問看護などは、医療保険での利用となるケースがあります。これらは主治医の指示のもとで利用が始まります。どちらのルートで利用者が来るかによって、営業すべき相手も変わるため、自ステーションがどちらの利用者をどれだけ受け入れているかを把握しておくことが大切です。この医療・介護の二重構造は、介護保険が中心の訪問介護とは異なる訪問看護の特徴です。医療と介護の両方にまたがるからこそ、医療機関とケアマネの双方に、自ステーションが何に対応できるかを正確に伝えることが集客の土台になります。

集客(営業)できていないときの原因

依頼が増えないステーションには、いくつか共通した原因があります。打ち手を考える前に、自ステーションがどこでつまずいているかを切り分けます。

1つ目は、紹介元との関係が築けていないことです。病院の退院支援やケアマネに自ステーションが知られておらず、紹介の候補に入っていないケースです。訪問看護は紹介経由の比重が高いため、紹介元との接点がないこと自体が、依頼が来ない直接の原因になります。

2つ目は、自ステーションが何に対応できるかが伝わっていないことです。精神科に対応している、ターミナルケアができる、小児を受け入れられるといった強みがあっても、紹介元がそれを知らなければ、適した利用者を紹介してもらえません。紹介元は「この利用者を任せられるか」で判断するため、対応範囲を具体的に示せていないと選ばれません。

3つ目は、看護師が足りずに依頼を受けきれないことです。紹介があっても人手が足りずに断り続けると、紹介元は次第に依頼をしなくなります。受け入れられないことが、紹介の減少につながる悪循環です。集客の問題が、実は採用や体制の問題であることも少なくありません。

主治医・病院の退院支援からの紹介をつくる

訪問看護の集客で主要なルートの一つが、医療機関からの紹介です。とくに病院の退院支援部門(地域連携室)は、入院していた患者が在宅に戻る際に、訪問看護につなぐ役割を担っています。こことの関係づくりが、安定した依頼の土台になります。

退院支援の担当者は、退院する患者を在宅で安全に支えられるかを考えています。そのため、自ステーションがどんな医療的ケアに対応できるか、急な状態変化にどう対応するか、受け入れの体制はどうかを、具体的に伝えることが重要です。退院のタイミングでスムーズに引き継げる信頼関係があれば、繰り返し紹介してもらえます。

具体的な接点として、退院前のカンファレンスへの参加があります。退院が決まった患者について、病院側と在宅側の関係者が集まり、在宅での療養方針を話し合う場です。ここに看護師が参加し、在宅での対応を具体的に提案できると、病院側に安心感を与え、その後の紹介にもつながります。一件ごとの丁寧な引き継ぎの積み重ねが、退院支援部門との信頼を育てます。受け身で紹介を待つのではなく、こうした場に積極的に関わる姿勢が、医療機関からの紹介を太くします。

地域の主治医(クリニック)との関係も欠かせません。在宅療養の患者に訪問看護の指示を出すのは主治医であり、主治医が自ステーションを信頼していれば、指示書を通じた紹介が生まれます。診療所への訪問や、報告・連絡を丁寧に行うことで、医療職どうしの信頼を積み重ねます。医療機関との連携は、一度きりの営業ではなく、報告や対応の質を通じて継続的に築くものです。

ケアマネ・居宅介護支援事業所への営業

介護保険を利用する利用者の場合、ケアマネジャーがケアプランに訪問看護を組み込むことで依頼が生まれます。居宅介護支援事業所への営業は、医療機関からの紹介と並ぶ重要なルートです。

ケアマネに伝えるべきは、自ステーションが医療的にどこまで対応できるかです。訪問介護のヘルパーでは対応できない医療的ケアを担えること、状態の観察や主治医との連携ができることは、ケアマネにとって安心材料になります。対応できる時間帯や緊急時の対応、空き状況など、ケアプランを組むときに必要な情報を分かりやすくまとめて渡します。

接点は一度きりにせず、定期的に続けます。対面で関係を築きつつ、空き状況や事例をFAXやメールで共有する、対応領域をまとめた資料をいつでも見られるようにするなど、ケアマネの手間を減らす工夫を重ねます。ケアマネ営業の進め方は、在宅介護に共通する部分も多く、訪問介護の集客方法の考え方もあわせて参考になります。ただし訪問看護では、医療的に対応できる強みをどう伝えるかが、訪問介護との違いになります。なお、ケアマネや医療機関との関係づくりでは、紹介の見返りとなる金品の提供や過度な接待、利用者の選択をゆがめる働きかけは避け、対応範囲・空き状況・連携品質を正確に伝える範囲にとどめます。

とくに開業して間もないステーションは、地域での認知がない状態から紹介ネットワークを築く必要があります。まずは近隣の居宅介護支援事業所や、退院支援部門を持つ病院、在宅医療に取り組むクリニックを地道に訪問し、自ステーションの存在と対応範囲を知ってもらうことが出発点です。最初の数件の紹介を丁寧に対応し、信頼を得ることが、次の紹介を呼ぶ起点になります。立ち上げ期は紹介元のリストづくりと、一件ごとの実績の積み重ねが重要な取り組みです。訪問看護ステーションが増えるなかで、早い段階で「この領域ならここ」という認識を地域に根づかせることが、その後の安定した依頼につながります。なお、開業・運営では、指定基準上の人員配置(看護職員の常勤換算の最低数など)や管理者の要件を満たすことが前提になります。開業準備の進め方は訪問介護の開業ガイドも在宅サービスの立ち上げとして参考になります。

専門性で差別化して選ばれる

訪問看護ステーションが増えるなか、何にでも対応するという打ち出しだけでは、紹介元の記憶に残りにくくなっています。対応できる領域を明確に示し、専門性で差別化することが、選ばれるための鍵になります。

差別化の軸になるのは、精神科訪問看護、ターミナルケア・看取りへの対応、小児の受け入れ、リハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の配置、認知症ケアなどです。対応できるステーションが限られる領域ほど、その利用者を紹介したい医療機関やケアマネにとって、貴重な選択肢になります。自ステーションが力を入れる領域を決め、紹介元が判断できる形で打ち出します。

専門性は、紹介元に「この利用者ならあのステーション」と思い出してもらうための旗印です。すべてに対応しようとするより、自ステーションの強みを絞って深く打ち出すほうが、紹介につながりやすくなります。強みを明確にすることは、看護師の採用やステーションの方向性にも一貫性を生みます。

差別化の要素として、24時間の対応体制も大きな意味を持ちます。在宅で療養する利用者や家族にとって、夜間や急変時に連絡できる体制があるかどうかは、安心の根幹に関わります。医療機関やケアマネも、急な状態変化に対応できるステーションを信頼して紹介します。24時間連絡できる体制を掲げる場合は、実際のオンコール体制や緊急訪問時の運用、関連する加算の算定・届出の要件と整合した範囲で、対応できる内容を正確に示します。緊急時の対応体制を整え、それを紹介元に明確に伝えることは、依頼の獲得と継続の両面で効きます。ただし、体制は看護師の負担とも直結するため、無理なく続けられる形で整えることが前提になります。

利用者の離脱を防ぐことも集客になる

訪問看護では、新規の依頼を増やすことと同じくらい、いま利用している人に続けてもらうことが経営を支えます。利用者が入院したり施設に入所したりすると、訪問看護は終了します。こうした離脱を完全には防げませんが、サービスの質によって防げる離脱もあります。

利用者と家族の満足度が高く、状態の変化に丁寧に対応できていれば、在宅での療養を続けやすくなり、結果として利用の継続につながります。逆に、対応の質が低いと、家族の不安から入院や施設入所が早まることもあります。利用者や家族との信頼関係、主治医との連携による的確な対応が、継続を左右します。

そして、満足度の高い対応は、紹介元の信頼にも返ってきます。紹介した利用者がうまく在宅で過ごせていれば、退院支援やケアマネは安心して次の利用者も紹介します。日々の対応の質そのものが、重要な集客基盤になります。継続率の維持と紹介の獲得は、サービス品質を通じてつながっています。

Web・パンフレットで信頼の裏づけをつくる

訪問看護は紹介が中心とはいえ、Webやパンフレットも役割を持ちます。紹介元や利用者の家族が、紹介されたステーションや候補のステーションを調べたときに、対応領域や体制、雰囲気が分かる状態をつくっておくことが、信頼の裏づけになります。

ホームページには、対応できる医療的ケアや専門領域、対応エリア、営業時間や緊急時の対応、スタッフの体制を分かりやすく示します。「地域名+訪問看護」で探したときに見つかり、安心して問い合わせや紹介ができる状態が理想です。Googleビジネスプロフィールを整えておくと、地域での検索で見つけてもらいやすくなります。MEOの基本はMEOの上位表示の仕組みも参考になります。ケアマネや退院支援に渡すパンフレットも、対応範囲と強みが一目で分かる構成にしておくと、紹介の判断材料として機能します。

看護師の採用と定着がサービスを支える

訪問看護の集客は、看護師の採用・定着と切り離せません。どれだけ紹介を得ても、訪問できる看護師がいなければ依頼を受けられず、紹介元の信頼を失います。サービスを提供できる体制を保つことが、集客の前提になります。

働きやすい勤務体制、オンコールの負担への配慮、教育や相談の仕組み、チームで支え合える環境づくりが、看護師の定着を支えます。訪問看護は一人で利用者宅を訪問する場面が多く、孤立感や責任の重さが離職につながりやすい働き方でもあります。安心して長く働ける体制を整えることが、安定したサービス供給につながり、ひいては紹介を受け続けられる土台になります。採用と集客を一体で考えることが、訪問看護の経営では欠かせません。

医療職の集客で気をつけること

訪問看護の情報発信では、医療に関わる表現に注意が必要です。効果を断定する表現や、特定の治療効果をうたうような表現、不安を過度に煽る表現は避けます。提供できるサービスや対応領域は、事実に基づいて正確に伝えることが基本です。

紹介元である医療機関やケアマネは、専門職として情報を見ています。誇張した表現はかえって信頼を損なうため、できることとできないことを正確に示す誠実な姿勢が、結果的に選ばれる理由になります。利用者や家族に向けた情報も、安心して相談できることを丁寧に伝えることを軸にし、過度な訴求は避けます。


訪問看護ステーションの集客のご相談はローカルマーケティングパートナーズへ

医療機関・ケアマネへの営業設計から、専門性の打ち出し、紹介元に渡す資料やホームページの整備まで、訪問看護ステーションの安定した依頼づくりを支援します。看護師の採用・定着とあわせた集客の設計もご相談いただけます。

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よくある質問

Q. 訪問看護の集客で最初に取り組むべきことは何ですか

A. 医療機関とケアマネジャーへの営業が優先度の高い取り組みです。訪問看護は主治医の指示書が前提で、利用者の多くは病院の退院支援やケアマネを通じて紹介されます。チラシやWebより先に、地域の医療機関や居宅介護支援事業所との関係づくりから始めることが、依頼の増加につながります。

Q. 訪問介護の集客と何が違いますか

A. 訪問看護は看護師による医療的なケアを提供するため、主治医の指示書が必要で、病院の退院支援や主治医との医療面での連携が集客の中心になります。介護のヘルパーが中心の訪問介護に比べ、医療機関からの紹介ルートが太いのが特徴です。ケアマネ営業はどちらにも共通しますが、訪問看護では医療的に対応できる強みを伝えることが鍵になります。

Q. 病院からの紹介を増やすにはどうすればよいですか

A. 病院の退院支援部門(地域連携室)との関係づくりが有効です。退院する患者を在宅でどう支えるかを考える担当者に、自ステーションが対応できる医療的ケアや受け入れ体制を具体的に伝えます。退院時にスムーズに引き継げる信頼関係をつくることが、継続的な紹介につながります。

Q. 訪問看護で差別化するにはどうすればよいですか

A. 対応できる領域を明確に打ち出すことが差別化になります。精神科訪問看護、ターミナルケア・看取り、小児、リハビリ職の配置など、対応できるステーションが限られる領域ほど、医療機関やケアマネから選ばれやすくなります。自ステーションの強みを、紹介元が判断できる形で示します。

Q. 看護師が足りず依頼を受けられません。どうすればよいですか

A. 看護師の採用と定着は、訪問看護の集客と表裏一体です。人手が足りないと依頼を断らざるを得ず、紹介自体が減っていきます。働きやすい体制づくりや教育の仕組みを整え、サービスを提供できる体制を確保することが、結果的に安定した依頼につながります。

Author / Supervisor

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

中央大学卒業。日系上場コンサルティング会社で3年勤務後、M&Aベンチャー執行役員を経て2022年に独立。BtoBマーケティング支援・FC加盟店開発・M&Aアドバイザリーを専門領域として、戦略設計から施策実行まで一気通貫で担う伴走型支援に取り組んでいる。

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