訪問介護の集客方法 ケアマネ営業とヘルパー採用から利用者を増やす実務
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訪問介護の集客方法 ケアマネ営業とヘルパー採用から利用者を増やす実務

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

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訪問介護の集客は、特別養護老人ホームや有料老人ホームといった施設系の集客とは、利用者の入り口も増やし方も大きく異なります。在宅サービスである訪問介護は、利用者本人が直接申し込むより、ケアマネジャーの紹介を経て依頼が入ることが多く、さらにヘルパーの人手という供給の制約が利用者数の上限を決めます。この記事では、訪問介護の集客を「ケアマネ営業・WEB集客・利用者定着・ヘルパー採用」の4軸に整理し、在宅ならではの設計と、人手不足で利用者を増やせない構造への打ち手を実務目線でまとめます。施設種別を横断した介護全体の集客は介護施設の集客方法で扱っており、本記事はそのうち訪問介護に絞って深掘りする位置づけです。

訪問介護の集客が施設集客と違う3つの前提

施設集客のノウハウをそのまま持ち込むと、訪問介護ではうまくいきません。まず押さえるべき構造的な違いが3つあります。

利用者の入り口がケアマネ経由である

訪問介護は介護保険サービスであり、利用者はケアマネジャーが作成するケアプランに沿って事業所を選びます。つまり最終的な利用者は在宅の高齢者やその家族ですが、その手前に「ケアマネジャーという紹介者」が存在する構造です。広告で利用者本人に直接訴求するより、ケアマネに選ばれる事業所になることが集客の中心になります。

提供できる人手が利用者数の上限になる

施設はベッド数が上限ですが、訪問介護はヘルパーの稼働時間が上限です。依頼が増えても、訪問できる人手がなければ受けられません。集客とヘルパー採用が連動しており、片方だけ強化しても利用者は増えません。

商圏が「訪問できる範囲」に限られる

訪問介護は事業所からヘルパーが移動して提供するため、現実的に対応できるのは事業所周辺の限られた地域です。広域に認知を広げても、訪問できなければ依頼を受けられません。狭い商圏のなかで、その地域のケアマネと家族に深く認知される設計が求められます。

利用者はどこから来るか — 紹介経路を地図にする

集客施策を考える前に、自事業所の利用者がどの経路から来ているかを棚卸しします。訪問介護の主な紹介経路は次のように整理できます。

  • 居宅介護支援事業所のケアマネジャー(最も多い経路)
  • 地域包括支援センター(要支援者や制度の入口からの相談)
  • 病院・診療所の医療ソーシャルワーカー(退院時に在宅サービスへつなぐ場面)
  • 既存利用者・家族からの口コミや紹介
  • 家族によるWEB検索からの直接問い合わせ

多くの事業所では、新規利用者の大半がケアマネ経由です。だからこそ「どのケアマネ・どの居宅事業所から紹介が来ているか」「来ていない事業所はどこか」を一覧化すると、営業すべき相手が具体的に見えてきます。経路ごとに件数を記録し、伸ばす経路と新たに開拓する経路を決めることが、訪問介護の集客設計の出発点です。

ケアマネ・居宅介護支援事業所への営業の進め方

訪問介護の集客で効果が大きく、かつ多くの事業所が体系的にできていないのが、ケアマネジャーへの営業です。ポイントは「誰に・何を・どう続けるか」を仕組みにすることにあります。

誰に営業するかを絞る

商圏内の居宅介護支援事業所をリスト化し、訪問可能エリアと重なる事業所を優先します。やみくもに広げず、自事業所が確実に対応できる地域のケアマネに集中するほうが、紹介後のミスマッチも防げます。

何を伝えるかを明確にする

ケアマネは「安心して利用者を任せられるか」で事業所を選びます。対応できる時間帯・曜日、認知症対応や喀痰吸引等への対応可否(必要な研修・体制を満たす範囲で)、急な依頼への対応力、空き状況など、ケアマネがケアプランを組むときに必要な情報を、わかりやすくまとめて渡します。何でもできますという曖昧な訴求より、得意分野と受け入れ可能枠を具体的に示すほうが信頼されます。

接点を定期的に続ける

一度の挨拶では紹介につながりません。訪問ルートのなかに居宅事業所への定期的な顔出しを組み込み、空き状況の共有や報告を通じて関係を維持します。担当者を決め、訪問の記録を残して継続することが、紹介の安定につながります。

アナログとデジタルを掛け合わせる

対面の関係づくりを土台にしつつ、空き枠情報をFAXやメールで定期的に共有する、事業所の特徴をまとめた資料をいつでも見られるようにするなど、ケアマネの手間を減らす工夫を重ねます。対面で築いた信頼を、情報提供の仕組みで支える形が現実的です。

公正中立を前提にする

ケアマネジャー(居宅介護支援事業者)には、利用者の選択を尊重し公正中立であることが運営基準で求められます。営業は自事業所の体制や強みを正確に伝えるものであり、紹介の見返りに金品・接待・紹介料・便宜供与といった利益供与を行うことは適切ではありません。利用者に合ったケアプランが組まれることを前提に、信頼で選ばれる関係づくりを目指します。

WEB・MEOで「探されたとき」に選ばれる

ケアマネ営業が紹介の主経路である一方、家族が自分で事業所を探す場面も増えています。「地域名+訪問介護」で検索したときに見つかり、安心して問い合わせできる状態をつくるのがWEBとMEOの役割です。

Googleビジネスプロフィールを整える

「訪問介護 近く」「地域名 訪問介護」で検索すると、Googleマップの結果が上位に表示されます。事業所情報・対応エリア・連絡先・写真を整え、口コミに丁寧に返信することで、地図上で見つけてもらいやすくなります。費用がかからず着手しやすい施策です。

ホームページは「家族の不安」に答える

訪問介護を探す家族は、料金の目安、対応できるサービス内容、スタッフの体制、利用までの流れに不安を抱えています。これらに具体的に答えるページがあると、問い合わせのハードルが下がります。事業所の雰囲気やスタッフの顔が見える情報は、安心材料として働きます。

WEBは紹介を後押しする裏づけにもなる

ケアマネが事業所を検討するときも、ホームページで実態を確認します。営業で伝えた内容がWEB上でも整合して見えることが、紹介の後押しになります。WEBは新規の入口であると同時に、ケアマネ営業や口コミの信頼を補強する役割も担います。

MEOの詳しい考え方は介護施設の集客方法でも扱っているため、施設全体の視点とあわせて参照してください。

利用者を「増やす」より「続けてもらう」設計

訪問介護の売上は、利用者数と、提供するサービスの内容・利用回数の掛け合わせで決まります。介護報酬は公定価格のため、1回あたりの単価を引き上げて売上を伸ばすことはできません。新規紹介ばかりに目を向けると、退所や利用回数の減少で足元が抜け、紹介を取り続けないと売上が立たない構造になります。

定着とサービス品質を集客の一部と考える

利用者と家族の満足度が高ければ、ケアマネは安心して次の利用者も紹介します。逆に、対応の質が低いと紹介が止まります。サービス品質は、それ自体が最も確実な集客施策です。ヘルパーの定着・教育、報告連絡の丁寧さ、急な変更への対応力が、紹介の継続を左右します。

適切なサービス提供が経営の安定につながる

新規獲得だけでなく、既存利用者のケアプランのなかで状態に合ったサービスを過不足なく提供することも、満足度と経営の安定につながります。介護報酬は公定価格のため、単価を操作するのではなく、利用者にとって必要なサービスを適切に届けることが基本です。

ヘルパー採用と集客は一体で進める

訪問介護で見落とされがちなのが、ヘルパー採用が集客と表裏一体だという点です。紹介が来ても、訪問できる人手がなければ受けられません。受けられない状態が続くと、ケアマネは「あの事業所は頼んでも断られる」と判断し、紹介そのものが減っていきます。

受け入れ可能枠を踏まえて紹介をコントロールする

人手の上限を超えた依頼を無理に受けると、サービスの質が落ち、かえって信頼を失います。空き状況を正確に把握し、受けられる範囲をケアマネに正直に伝えることが、長期的な関係維持につながります。

採用も「選ばれる」発想で設計する

ヘルパー不足が利用者数の上限を決めるなら、採用は事業拡大の生命線です。働きやすいシフト、移動負担への配慮、教育体制など、ヘルパーに選ばれる事業所であることが、結果として受けられる利用者数を増やします。採用と集客を別々の課題にせず、同じ計画のなかで人手と依頼のバランスを取る視点が必要です。

数値で集客を管理する — 訪問介護で見るべき指標

感覚で「最近紹介が減った」と判断するより、いくつかの指標を継続して記録するほうが、どこに手を打つべきかが明確になります。訪問介護で押さえておきたい指標を整理します。

紹介件数(経路別)

ケアマネ・地域包括・病院・口コミ・WEBのどこから何件来たかを月単位で記録します。経路別に見ることで、伸びている経路と止まった経路がわかり、営業の優先順位を決められます。特定のケアマネからの紹介が急に止まった場合、関係維持や対応品質に課題が出ているサインのことがあります。

紹介から契約への成約率

紹介を受けても、空き枠がない・対応できないなどの理由で契約に至らないことがあります。紹介件数だけでなく「受けられた割合」を見ると、人手不足で機会を逃しているのか、紹介自体が少ないのか、ボトルネックの位置がわかります。

ヘルパーの稼働率と受け入れ可能枠

ヘルパーの稼働時間に対して、どれだけ受注で埋まっているかを把握します。稼働率が高止まりしているなら、集客より採用が次の打ち手です。逆に空きがあるのに利用者が増えないなら、紹介経路の整備が優先になります。受け入れ可能枠を常に把握しておくと、ケアマネへ正確に空き状況を伝えられます。

利用者あたりの単価・利用回数・継続期間

売上は利用者数だけでなく、1人あたりの単価・利用回数・継続期間で決まります。新規が増えても短期間で離れていれば売上は積み上がりません。継続期間や利用回数の推移を見て、定着に課題がないかを確認します。

これらの指標を毎月記録し、「紹介経路の問題か、受け入れ体制の問題か、定着の問題か」を切り分けることが、限られた人手で効果的に手を打つための土台になります。指標を見ずに施策だけ増やすと、効いていない施策に時間を使い続けることになります。

集客がうまくいかない訪問介護事業所の共通点

紹介が増えない事業所には、共通する原因があります。チャネルを増やす前に、当てはまるものがないか確認します。

  • 紹介経路を把握しておらず、どのケアマネから来ているか説明できない
  • ケアマネへの接点が一度きりで、継続的な関係になっていない
  • 自事業所の得意分野・受け入れ可能枠を言語化できていない
  • 急な依頼や、認知症・喀痰吸引等の特定のケアに対応できず、紹介の機会を逃している
  • 人手不足で依頼を断り続け、紹介自体が減っている
  • WEB上に情報がなく、家族やケアマネが実態を確認できない

これらは新しい広告を打っても解決しません。紹介経路の整備・関係構築・受け入れ体制という土台を見直すことが先決です。

集客施策の優先順位と始め方

限られた人手と時間で成果を出すには、着手の順番が重要です。訪問介護では次の順序が現実的です。

  1. 現状把握: 紹介経路と空き状況を棚卸しし、伸ばす経路を決める
  2. 紹介経路の整備: 商圏内の居宅事業所をリスト化し、定期的なケアマネ営業を仕組みにする
  3. 受け入れ体制: 得意分野と受け入れ可能枠を明確にし、対応できる依頼を取りこぼさない
  4. WEB整備: Googleビジネスプロフィールとホームページで、探されたときに選ばれる状態をつくる
  5. 定着と採用: サービス品質で紹介継続を確保し、採用で受け入れ枠を広げる

すべてを同時に始める必要はありません。まず紹介経路の棚卸しとケアマネ営業から着手し、効果を見ながらWEBや採用へ広げるのが、人手の限られた事業所にとって無理のない進め方です。

まとめ

訪問介護の集客は、施設集客の発想とは別物です。利用者はケアマネ経由で紹介され、提供できる人手が利用者数の上限を決め、商圏は訪問できる範囲に限られます。だからこそ、ケアマネ・居宅介護支援事業所への継続的な営業を中心に据え、WEB/MEOで探されたときに選ばれる状態をつくり、サービス品質で紹介を継続させ、ヘルパー採用で受け入れ枠を広げる——この4軸を一体で回すことが、訪問介護の安定した利用者獲得につながります。

開業からの立ち上げについては訪問介護の開業ガイド、活用できる補助金は介護事業者向けの補助金もあわせて参考にしてください。


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当社は店舗・地域ビジネスの集客支援として、ケアマネ営業の設計からWEB/MEO整備、採用までを一気通貫で支援しています。在宅サービスならではの集客にお悩みの事業者さまは、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. 訪問介護の集客で最初に取り組むべきことは何ですか

A. 地域のケアマネジャー(居宅介護支援事業所)への関係づくりが最優先です。訪問介護の利用者の多くはケアマネが作成するケアプランを通じて紹介されるため、ケアマネに事業所を認知・信頼してもらうことが利用者の増加につながりやすくなります。WEBやチラシより先に、紹介経路の整備から始めます。

Q. ホームページやMEOは訪問介護の集客に効果がありますか

A. 効果はありますが、役割を理解して使う必要があります。利用者本人より家族が探すケースが多く、家族が「地域名+訪問介護」で検索したときに見つかり、安心して問い合わせできる状態をつくるのがWEB/MEOの役割です。新規紹介の入口というより、ケアマネ営業や口コミを後押しする信頼の裏づけとして機能します。

Q. 利用者を増やしたいのにヘルパーが足りません。どうすればよいですか

A. 訪問介護では集客とヘルパー採用は一体で考えます。依頼が来ても提供できる人手がなければ受けられず、機会損失と紹介元からの信頼低下につながります。採用を集客と同じ重要施策として並行で進め、受け入れ可能枠を踏まえて紹介依頼をコントロールすることが現実的です。

Author / Supervisor

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

中央大学卒業。日系上場コンサルティング会社で3年勤務後、M&Aベンチャー執行役員を経て2022年に独立。BtoBマーケティング支援・FC加盟店開発・M&Aアドバイザリーを専門領域として、戦略設計から施策実行まで一気通貫で担う伴走型支援に取り組んでいる。

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