業種別の補助金・助成金ガイド2026年度版|業種ごとの活用パターンと共通制度
経営・資金調達

業種別の補助金・助成金ガイド2026年度版|業種ごとの活用パターンと共通制度

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

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補助金・助成金は業種を問わず活用できる共通制度が基盤にありますが、業種ごとの特性で最適な活用パターンが変わります。製造業はものづくり補助金、飲食・小売はデジタル化、介護・医療は人材確保、建設業はICT施工と、自業種の課題に合った制度を選ぶことが採択と事業成長の鍵になります。この記事では、全業種共通の制度と業種別の活用パターンを総合的に整理します。

  • 全業種共通の主要制度 — 持続化・デジタル化AI・ものづくり・業務改善・雇用関係
  • 業種別の活用パターン — 介護・飲食・建設・製造・美容室・クリニック等
  • 業種・組織形態による制約 — 医療法人の対象外制度など
  • 補助金選びの判断軸 — 事業課題から逆算する制度選定
  • 申請の進め方 — 専門家活用・複数併用・実務フロー

補助金の年度別の全体像は2026年度版 中小企業が使える補助金ガイド、選び方は補助金の選び方、申請代行は補助金申請代行の費用・手数料相場にまとめているため、合わせて参照してください。

全業種共通の主要制度

業種を問わず活用できる基盤制度を整理します。これらは販路開拓・DX・設備投資・賃上げ・人材確保という共通課題に対応します。

小規模事業者持続化補助金

項目内容
補助上限一般型50〜250万円 / 創業型200〜250万円
補助率2/3(賃上げで3/4)
対象販路開拓・生産性向上
適する業種全業種(特に小規模事業者)

ホームページ・看板・チラシ・設備導入など幅広い用途に使え、小規模事業者にとって最も活用しやすい制度です。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

項目内容
補助上限5〜450万円
補助率1/2〜4/5
対象ITツール・DXシステム
適する業種全業種(特に飲食・小売・サービス・医療)

POS・予約・顧客管理・電子カルテ・在庫管理など、業種別のシステム導入に活用できます。2026年3月30日から申請開始です。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

項目内容
補助上限750〜4,000万円
補助率1/2〜2/3
対象設備投資・生産性向上
適する業種製造業・建設業・サービス業(医療法人は対象外)

設備投資型の中核制度で、革新性・独自性が訴求軸になります。医療法人は中小企業基本法上の対象外です。

中小企業省力化投資補助金

項目内容
補助上限200万〜1億円
補助率1/2〜2/3
対象省力化機器・自動化システム
適する業種人手不足の全業種

人手不足対応の自動化投資に活用でき、カタログ型は手続きが簡素です。

業務改善助成金

項目内容
補助上限30〜600万円
補助率3/4〜9/10
対象設備投資+賃上げ
適する業種全業種

賃上げと設備投資を同時に進める制度で、補助率が高く全業種で使いやすい制度です。

雇用関係助成金

制度対象
キャリアアップ助成金有期→正規雇用転換(57〜120万円/人)
人材開発支援助成金職員の訓練・スキル向上
特定求職者雇用開発助成金高齢者・障害者等の雇用
トライアル雇用助成金未経験者の試行雇用

人材確保・育成は全業種の共通課題で、雇用関係助成金は事業規模を問わず活用できます。

業種別の活用パターン

業種ごとに最適な制度と活用パターンが異なります。主要業種を整理します。

介護・福祉

人材確保と介護テクノロジー導入が中心です。

重点制度活用例
介護テクノロジー導入支援事業見守りセンサー・移乗支援機器
処遇改善加算+処遇改善支援職員の賃上げ
キャリアアップ助成金介護職員の正社員化

詳細: 介護事業者が活用できる補助金・助成金(検索ボリューム最大の業種×補助金KW)

飲食店・カフェ

設備投資・DX・販路開拓が中心です。

重点制度活用例
デジタル化AI導入補助金POS・予約・AI需要予測
ものづくり補助金自動調理ロボット・省エネ厨房
持続化補助金ホームページ・店舗改装

詳細: 飲食店が活用できる補助金・助成金

建設業

ICT施工・人材確保・働き方改革が中心です。

重点制度活用例
ものづくり補助金ICT建機・ドローン測量
業務改善助成金重機更新+賃上げ
人材確保等支援助成金CCUS導入・技能者処遇改善

詳細: 建設業が活用できる補助金・助成金

製造業

DX・GX・省力化が中心です。

重点制度活用例
ものづくり補助金自動化ライン・最新工作機械
中小企業省力化投資補助金協働ロボット・AI画像検査
大規模成長投資補助金工場建設・大型設備

詳細: 製造業が活用できる補助金・助成金

美容室・サロン

開業・設備投資・人材確保が中心です。

重点制度活用例
デジタル化AI導入補助金POS・予約・CRM統合
持続化補助金シャンプー台・店舗改装
キャリアアップ助成金スタッフ正社員化

詳細: 美容室が活用できる補助金・助成金

クリニック・医療

電子カルテ・人材確保が中心です。

重点制度活用例
デジタル化AI導入補助金電子カルテ・レセコン・オンライン診療
キャリアアップ助成金医療事務・看護師の正社員化
業務改善助成金検査機器更新+賃上げ

詳細: クリニックが活用できる補助金・助成金(医療法人はものづくり補助金等の対象外に注意)

整骨院・整体院・エステ等のサロン系

サロン系(整骨院・整体院・エステ・ネイル等)は、共通して以下の制度が中心になります。

重点制度活用例
持続化補助金ホームページ・予約システム・施術機器
デジタル化AI導入補助金顧客管理・予約・LINE連携
業務改善助成金施術設備の更新+賃上げ
キャリアアップ助成金スタッフの正社員化

サロン系は大型設備が少ないため、集客基盤整備(ホームページ・予約・SNS)とDX投資が補助金活用の中心になります。

学習塾・スクール

ICT教育・集客が中心です。

重点制度活用例
IT導入補助金学習管理システム・オンライン教材
持続化補助金集客・教材開発・教室整備
キャリアアップ助成金講師の正社員化

教育のICT化(オンライン授業・AI教材)でデジタル化AI導入補助金を活用できます。

小売・物販

販路開拓・EC・DXが中心です。

重点制度活用例
デジタル化AI導入補助金POS・EC・在庫管理
持続化補助金ホームページ・販促・店舗改装
ものづくり補助金物流・加工設備

EC構築・オンライン販売への展開で各種補助金を活用できます。

不動産

DX・業務効率化が中心です。

重点制度活用例
デジタル化AI導入補助金物件管理・顧客管理・電子契約
持続化補助金ホームページ・集客・LINE連携

不動産業のDX(電子契約・オンライン内見・顧客管理)でデジタル化AI導入補助金が活用できます。

業種・組織形態による制約

補助金には業種・組織形態による対象制限があります。申請前に確認すべき主な制約を整理します。

制約内容
医療法人ものづくり補助金・新事業進出補助金等の経済産業省系は対象外(中小企業基本法上の中小企業者に該当しない)
公益法人・NPO制度により対象範囲が異なる
創業前・創業直後持続化補助金の創業型・起業支援金等の創業特化制度を活用
業種制限風俗営業・金融業等は対象外の制度がある

自業種・組織形態が対象範囲に含まれるか、各補助金の公募要領で確認します。

補助金選びの判断軸

事業課題から逆算する

補助金は「使えるから使う」ではなく、事業課題の解決手段として選びます。

事業課題推奨制度
販路開拓・集客強化小規模事業者持続化補助金
DX・業務効率化デジタル化AI導入補助金
設備投資・生産性向上ものづくり補助金
人手不足・自動化中小企業省力化投資補助金
賃上げ・労働環境改善業務改善助成金
人材採用・育成雇用関係助成金
新分野進出・業態転換新事業進出補助金
事業承継・M&A事業承継・M&A補助金

現状の最重要課題を特定し、それを解決する制度を選ぶことが、採択率と事業効果の両面で重要です。

複数補助金の組み合わせ

性質の異なる補助金を組み合わせて総助成額を最大化するのが定石です。

組み合わせ例効果
ものづくり補助金 × 業務改善助成金設備投資+賃上げを同時に
デジタル化AI × キャリアアップ助成金DX+人材確保を同時に
持続化補助金 × IT導入補助金販路開拓+システム導入

同一経費の重複請求は禁止ですが、対象経費を分ければ複数制度を併用できます。

申請の進め方

専門家の活用

補助金申請は専門知識が必要で、制度の規模に応じて専門家活用を検討します。

専門家主な対応費用目安
行政書士書類作成・許認可着手金10〜30万円+成功報酬10〜20%
中小企業診断士事業計画書・経営支援着手金20〜50万円+成功報酬
社会保険労務士雇用関係助成金月顧問料+成功報酬

大型補助金は専門家活用が現実的で、小規模事業者持続化補助金は商工会議所の支援を受けながら自力申請も可能です。詳細: 補助金申請代行の費用・手数料相場と選び方

申請の標準フロー

  1. 事業課題の整理・制度選定(1〜2週間)
  2. 公募要領の確認・要件適合チェック(1週間)
  3. 必要書類の準備(2〜4週間)
  4. gBizIDプライム取得(2〜4週間)
  5. 事業計画書の作成(2〜4週間)
  6. 申請書提出(電子申請)
  7. 採択→交付申請→交付決定(1〜3ヶ月)
  8. 事業実施→実績報告→入金(6ヶ月〜1年)

公募から入金まで6ヶ月〜1年かかるため、運転資金との兼ね合いを事業計画に組み込みます。交付決定前の発注は補助対象外になるため厳守します。

採択率を上げるポイント

  • 現状の課題を数値で示す(離職率・原価率・生産性等)
  • 補助金活用の目的と効果を数値目標で提示
  • 業界の公的データ(統計・調査)を引用
  • 中長期の経営ビジョンを描く

抽象表現を避け、数値根拠で構成した事業計画書が採択されやすい傾向です。

業種別補助金活用の年間サイクル

補助金を単発でなく年間サイクルで活用することで、事業成長を継続的に支えられます。

4〜6月: 年度公募の確認と申請準備

  • 各補助金の年度公募要領を入手
  • 自業種・自社の重点課題を整理
  • 申請する補助金を2〜3本に絞り込む

7〜9月: 申請と二次公募対応

  • 一次公募の申請完了
  • 採択された補助金の事業実施開始

10〜12月: 事業実施と中間進捗管理

  • 設備導入・施策実施
  • 領収書・記録の保存

1〜3月: 実績報告と次年度準備

  • 実績報告書の提出・補助金受領
  • 次年度の公募情報のキャッチアップ

業種別の補助金活用は、全業種共通の基盤制度を理解した上で、自業種の課題に合った制度を選び、複数制度を組み合わせることが成功の鍵です。製造業はものづくり、飲食・小売はデジタル化、介護・医療は人材確保、建設業はICT施工と、業種特性に応じた活用パターンを押さえることで、採択率と事業効果を最大化できます。

業種別の補助金活用戦略・事業計画書作成・行政書士連携体制の整備は、ローカルマーケティングパートナーズで個別支援が可能です。各業種の集客・経営支援と合わせて一気通貫で伴走します。


補助金の業種別活用や経営支援のご相談はローカルマーケティングパートナーズへ

事業計画段階から実績報告まで、補助金活用と事業成長の現場知見をもとに伴走支援します。

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実際の採択事例

公開された採択結果から、本記事のテーマに該当する事例をピックアップしています(出典: 各補助金事務局公開情報)。

第11回

BIMを活用したファシリティマネジメントソフトの開発・販売

BIM(建物情報モデル)を活用したファシリティマネジメント効率化に資するソフトウェアを、ファシリティマネジメント分野で世界トップクラスである日本水準で開発し、BIMの 普及が進む海外から販売する。

北海道帯広市 / 情報通信業 詳細 →

第11回

農業用設備のメンテナンス技術を横展開する食品工場分野への新市場進出

当社既存事業では、小麦乾燥施設など農業用設備のメンテナンス業務を主に請け負っているが、農業用設備のメンテナンス業務のノウハウを横展開し、十勝管内に多数立地する食品工 場向けに食品加工ラインや食品機械のメンテナンス業務を請け負っていく。

北海道河東郡音更町 / 製造業 詳細 →

第11回

経産牛を食品残渣で肥育、熟成と加工で付加価値向上と精肉販売

市場価値の低い経産牛を食品残渣で再肥育、ドライエイジングで熟成・加工し付加価値を高めた独自ブランド「TheVintageWagyu」を立ち上げ、新規に開店する精肉店 「ウシトミライ」での販売事業

北海道札幌市厚別区 / 卸売業,小売業 詳細 →

第11回

先端的な急速冷凍機導入による冷凍調理食品製造業への業種転換GX

本事業では、既存事業の強みである高級中華料理の技術・ノウハウ等や、飲食料品小売業との深い関係性を活用して、先端的な急速冷凍機導入による冷凍調理食品製造業に取組み、リ スクの高い大胆な業種転換GXを行う。

茨城県つくば市 / 宿泊業,飲食サービス業 詳細 →

第11回

飲食チェーン運営から自社ブランドの立ち上げ・フランチャイズ展開

1.外食事業(自社ブランドの飲食店立ち上げ)「石窯パンと産直野菜のビストロ事業」→グルテンアレルギーフリーのパンの開発や自社農園で収穫された野菜を使用した身体に良い 自然派の料理の提供を行う。2.フランチャイズ事業「石窯パンと産直野菜のビストロ店のFC化」→地産地消と有機野菜をコンセプトにした飲食店をフランチャイズ化し全国展開

愛知県春日井市 / 宿泊業,飲食サービス業 詳細 →

第11回

新市場進出(自動車エンジン→建物非常用発電機)による収益回復・経営の安定化

現在は自動車エンジン試験機のメンテナンスを行っているが、補助事業では建物の非常用発電機のメンテナンスに取り組む。縮小する自動車エンジン関連市場への売上依存状態を脱却 し、収益回復・経営の安定化を図る。

愛知県豊田市 / サービス業(他に分類されないもの) 詳細 →

※ 公開採択事例の概要です。詳細は 採択事例DB を参照してください。

よくある質問

Q. 業種を問わず使える補助金は何ですか

A. 小規模事業者持続化補助金(上限50〜250万円)、デジタル化・AI導入補助金(上限450万円)、ものづくり補助金(上限750〜4,000万円)、業務改善助成金(上限600万円)、各種雇用関係助成金が全業種共通で活用できます。これらは販路開拓・DX・設備投資・賃上げ・人材確保という共通課題に対応する制度です。

Q. 業種によって使える補助金は変わりますか

A. 基本制度は共通ですが、業種特性で活用パターンが変わります。製造業はものづくり補助金、飲食・小売はデジタル化AI導入補助金、介護・医療は人材確保系、建設業はICT施工系が中心になります。また、医療法人はものづくり補助金等の対象外など、業種・組織形態による制約もあります。

Q. 自分の業種に合う補助金はどう探せばよいですか

A. 事業課題(販路開拓・設備投資・DX・人材確保)を起点に制度を選びます。本記事の業種別セクションで自業種の活用パターンを確認し、各業種の詳細記事で制度・採択事例を確認してください。判断に迷う場合は商工会議所・行政書士・中小企業診断士への相談が有効です。

Q. 補助金申請を専門家に依頼すべきですか

A. 大型補助金(ものづくり・事業再構築・省力化投資等)は事業計画書の質が採択を左右するため、行政書士・中小企業診断士への依頼が現実的です。費用は着手金10〜30万円+成功報酬で受給額の10〜20%が相場です。小規模事業者持続化補助金は商工会議所の支援を受けながら自力申請も可能です。

Q. 複数の補助金を併用できますか

A. 同一経費を複数補助金に重複請求することは禁止されますが、対象経費を分ければ複数制度を併用できます。例えば設備投資はものづくり補助金、賃上げは業務改善助成金、人材採用はキャリアアップ助成金と、性質の異なる制度を組み合わせて総助成額を最大化するのが定石です。

Author / Supervisor

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

中央大学卒業。日系上場コンサルティング会社で3年勤務後、M&Aベンチャー執行役員を経て2022年に独立。BtoBマーケティング支援・FC加盟店開発・M&Aアドバイザリーを専門領域として、戦略設計から施策実行まで一気通貫で担う伴走型支援に取り組んでいる。

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