BtoB企業のPR・広報戦略 メディア露出と信頼構築の実務
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BtoB企業のPR・広報戦略 メディア露出と信頼構築の実務

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

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BtoBのPR・広報は、広告費をかけずに第三者の文脈で信頼を獲得できる費用対効果の高い施策です。知名度で大手に劣る中堅・成長企業ほど、広報の仕組みを早期に整える意義があります。

  • PRと広告の違い — 広告は枠を買う自社発信、PRはメディアが「取り上げる価値がある」と判断して初めて露出が生まれる
  • プレスリリースの基本 — 月1〜2本のペースで、業界トレンドに合わせたニュース性のある内容を配信する
  • メディアとの関係構築 — 記者個人との接点を積み上げ、専門領域の情報提供者として認知される
  • 小規模チームでも可能 — マーケ担当が兼務する体制でも、月1回のプレスリリースと四半期1回のメディアアプローチで成果は出る

本記事では、BtoB企業のPR・広報の基本から実務、体制構築までを整理します。

BtoB PR活動の全体像 施策からメディア掲載・信頼蓄積・事業成果への効果の流れ

BtoB における PR の役割と広告との違い

広告は自社が発信するメッセージであり、枠を買って掲載します。一方 PR は、メディアや第三者が「取り上げる価値がある」と判断して初めて露出が生まれます。この違いは受け手の信頼度に直結します。

観点広告PR
露出の仕組み枠を購入して掲載メディアが取り上げる
信頼度自社発信のため低め第三者の評価として高い
コスト出稿費用が継続的に発生制作・配信コストのみ
持続性出稿を止めると露出がゼロWeb 上に記事が残り続ける
適した目的短期のリード獲得中長期の信頼蓄積

広告は出稿を止めれば露出がゼロになりますが、メディア掲載記事は Web 上に残り続け、長期的な検索流入や被リンクの獲得にもつながります。短期のリード獲得には広告、中長期の信頼蓄積には PR という使い分けを意識しておきましょう。PR と広告を含めたマーケティング全体の設計については「BtoBマーケティングの基本と実践」で体系的に整理しています。

プレスリリースの実務

プレスリリースは PR 活動の基本的な手段です。配信のタイミング、書き方、配信先の選定を押さえることで、メディア掲載の確率が大きく変わります。

配信のタイミングと頻度

新サービスのリリース、資金調達、業務提携、調査レポートの公開など、「ニュースバリュー」がある出来事に合わせて配信するのが基本です。月に 1 本でも継続して出し続けることが重要で、配信が途切れると記者の記憶からも自社が消えていきます。

書き方の要点

タイトルは事実を端的に伝えます。「誰が・何を・なぜ」が一文で伝わることが最低条件です。本文ではデータや数字を盛り込み、記者がそのまま記事に使える素材を提供する意識で書きましょう。

自社目線の宣伝文にならないよう、業界全体のトレンドや課題と紐づけて語ると取り上げられやすくなります。

配信先の選定

PR TIMES などの配信プラットフォームに加え、業界専門メディアの記者に直接送付するリストを整備しておきます。記者ごとに担当領域や関心テーマが異なるため、一斉送信ではなく個別にカスタマイズした一文を添えるだけでも開封率は変わります。

業界メディアとの関係構築

メディアリレーションは一朝一夕では築けません。まずは自社の専門領域に関連する業界メディアをリストアップし、各媒体の読者層や編集方針を把握するところから始めます。

記者との接点は、プレスリリースの送付だけではありません。以下のようなアプローチも有効です。

  • 業界イベントでの名刺交換 — カンファレンスや展示会は、記者との直接接点をつくる貴重な機会です
  • 記事へのコメント提供 — 記者が取材先を探している際に、専門家としてコメントを提供します
  • 業界動向に関する知見の提供 — 自社の売り込みよりも、業界全体の一次情報を提供する姿勢が信頼につながります

記者が求めているのは「宣伝してほしい企業」ではなく「業界の一次情報を持っている情報源」です。この視点を持つだけで、メディアとの関係構築は大きく前進します。PR活動と並行してBtoBブランディング戦略を進めることで、メディアに取り上げられる企業としてのポジションが強固になります。

事例記事・導入事例の活用

BtoB 企業の PR において、導入事例は最も汎用性の高いコンテンツです。顧客の課題と解決プロセスをストーリーとして伝えることで、同じ課題を抱える見込み客の共感を得られます。

作成した事例は Web サイトへの掲載にとどめず、多面的に活用しましょう。

  • プレスリリースの素材 — 事例をニュースとして配信し、メディア露出につなげる
  • 業界メディアへの寄稿ネタ — 事例を基にした考察記事を提案し、寄稿の機会を得る
  • 営業資料への組み込み — 商談時の説得材料として活用する

顧客に取材許可を得る際、メディア掲載の可能性も含めて合意を取っておくとスムーズです。

オウンドメディアと PR の連携

オウンドメディアで発信している専門コンテンツは、PR 活動の土台にもなります。メディアの記者が取材先を探す際、その企業のブログやコラムを確認するケースは多く、質の高いコンテンツが蓄積されていれば「この会社は詳しそうだ」という印象を与えられます。コンテンツマーケティングの始め方は「コンテンツマーケティングの基本と実践」にまとめています。

逆に、メディアに掲載された記事をオウンドメディアで紹介することで、サイト訪問者への信頼シグナルにもなります。掲載実績ページを設け、ロゴや記事リンクを整理しておくと営業資料としても活用しやすくなります。

オウンドメディアと PR の相互連携をまとめると、以下のようになります。

連携の方向具体的なアクション期待される効果
オウンドメディア → PR専門コンテンツの蓄積記者からの取材依頼が増える
PR → オウンドメディア掲載実績の紹介サイト訪問者への信頼シグナル
双方向コンテンツとメディア露出の相互引用認知と信頼の好循環

広報 KPI の設定

PR 活動の効果測定は「掲載件数」だけでは不十分です。掲載されたメディアの影響力、記事内での自社の扱われ方、掲載後のサイト流入数の変化など、質と量の両面から評価します。KPI の設計方法については「マーケティングKPI設計の実務」で詳しく解説しているので、広報KPIの設計にも応用してください。

具体的な KPI としては、以下の指標を組み合わせて追跡するのが有効です。

指標計測方法確認頻度
月間メディア掲載件数PR モニタリングツール月次
プレスリリース配信本数配信プラットフォーム月次
指名検索数の推移Google Search Console月次
メディアからの問い合わせ件数社内記録月次
掲載記事の推定リーチ数メディアの PV データ四半期

半年から 1 年の単位でトレンドを追い、施策の方向性が正しいかを判断しましょう。

小規模チームでの広報体制

専任の広報担当を置けない企業も多いでしょう。その場合、マーケティング担当や経営企画のメンバーが兼務する形で始めるのが現実的です。

週に数時間でも「広報の時間」を確保し、以下の業務を習慣化することが第一歩になります。

  • プレスリリースの下書き
  • 記者リストの更新
  • メディア掲載のモニタリング

外部の PR 会社やフリーランス広報を活用する選択肢もあります。ただし丸投げは機能しにくいのが実情です。自社の事業や業界に関する一次情報は社内にしかないため、外部パートナーには「メディアとの接点づくり」や「リリース文の編集」など、特定の業務を切り出して依頼する形がうまく回りやすくなります。

まとめ

BtoB 企業の PR・広報は、広告とは異なる文脈で認知と信頼を積み上げる手段です。プレスリリースの継続的な配信、業界メディアとの関係構築、導入事例の活用、オウンドメディアとの連携を組み合わせることで、広告費に依存しない認知基盤を築けます。

まずは自社の直近のニュースを棚卸しし、プレスリリース 1 本を書くところから始めてみてください。

よくある質問

Q. BtoB企業にPR・広報活動は必要ですか?

A. はい、特に指名検索や信頼構築に効果があります。広告と違い第三者メディアに取り上げられることで客観的な信頼が生まれ、BtoBの長い検討プロセスにおいて競合との差別化につながります。

Q. プレスリリースの配信頻度はどのくらいが適切ですか?

A. 月1〜2回が目安です。新サービス・導入事例・調査レポートなどネタを計画的にストックし、配信カレンダーを作っておくと安定した露出が維持できます。

Q. BtoB企業がPRで取り上げられるにはどうすればいいですか?

A. 業界メディアの記者との関係構築が重要です。まずプレスリリースの品質を高め、独自データや調査結果を盛り込むことで記事化の確率を上げましょう。

Q. PR効果はどう測定しますか?

A. 掲載メディア数・広告換算値・指名検索数の推移・サイトへの流入数が主な指標です。短期的な効果測定が難しいため、四半期単位でトレンドを追うのが現実的です。

Author / Supervisor

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

マーケティング支援の実務経験を活かし、BtoB/BtoCの戦略設計から施策実行まで150件超のプロジェクトを統括。地場の店舗ビジネスからスタートアップ、上場企業まで、現場に入り込んで再現性あるマーケティングを構築する。セミナー支援では企画・運営・登壇まで一気通貫で手がける。

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