SaaSのデモ申込率を上げる設計 LP・CTA・フォローの改善ポイント
SaaSマーケティング

SaaSのデモ申込率を上げる設計 LP・CTA・フォローの改善ポイント

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

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デモ申込数が少ない——その原因は大きく2つに分かれます。そもそもLPへの流入が少ないか、LPに来たのに申し込まれていないかです。本記事では後者、「LPに来たのに申し込まれない」問題の改善に絞って解説します。

SaaS企業のデモCVRは一般的に3〜8%が目安ですが、LP設計・CTA・フォームを最適化することで10%超を達成している企業も存在します。

デモLPの構成と改善ポイント

ファーストビューで答えるべき問い

ページを開いた瞬間に、訪問者は3つの問いを無意識に立てます。「このツールは自分のために作られているか」「何ができるか」「なぜ今申し込む必要があるか」。この3問にファーストビューで答えられていないと、スクロールされずに離脱します。

よくある失敗は、ツール名・ロゴ・機能リストをファーストビューに並べるパターンです。「〇〇を解決できる」「〇〇な企業に選ばれている」というアウトカムの言葉を前面に出す方がCVRは上がります。SaaS LPの構成設計全般についてはSaaS企業のLP設計 CVRを高める構成と訴求の考え方も参照してください。

社会的証明の配置

ロゴウォール(導入企業ロゴ一覧)、導入実績数、G2・Gartnerなどのレビューサイトの評価は、申込前の「本当に効果があるのか」という不安を下げる効果があります。ただし、ページの下段にまとめるより、CTAボタンの近くに配置する方が心理的な後押しとして機能します。

フォームの長さと離脱率

フォーム項目数が増えるほどCVRは下がります。BtoB SaaSのデモ申込フォームで必要な最低限の情報は「名前・会社名・メールアドレス・電話番号」の4項目です。「社員数・役職・課題」などの情報は、申込後のアンケートやデモ前の事前ヒアリングで取得する方がCVRへの影響が少ない。

カレンダー予約ツール(Calendly等)を使って申込フォームをなくし、そのままデモ日程を選んでもらう形式は、特に高単価SaaSでCVRを大幅に改善した事例があります。

CTA文言の設計

申込ハードルを下げる言葉

変更前変更後効果の方向
デモを申し込む30分のデモを予約する時間が読めて申込しやすくなる
資料請求するまず資料を見てみる能動的な行動から観察者へ心理的ハードル低下
お問い合わせ課題について相談する「問い合わせ=営業される」の警戒感を下げる
無料トライアル開始14日間無料で使ってみる期間を明示することで終わりが見えて安心

BtoBの文脈で「無料」は依然として強い引力を持ちます。ただし、「無料」だけが突出すると安っぽく見えることもあるため、「無料」に「期間」「サポート込み」「クレジットカード不要」を加えることで信頼感とセットで訴求できます。

CTAボタンの設置箇所

一般的に、CTAボタンはページ内に3〜4か所設置します。ファーストビュー・機能説明の後・導入事例の後・ページ最下部が基本の配置です。スクロールしながら読んでいる際に常に申込経路が見えている状態が理想です。

デモから商談化率を上げる施策

デモ申込数を増やすだけでなく、申込後に商談につなげる設計も重要です。

申込後のフォローを24時間以内に

デモ申込後に架電する場合、申込から24時間以内が最もコネクト率・商談化率が高い。時間が経つほど熱量が下がり、他社のデモも並行して検討されている可能性が高まります。

インサイドセールスが架電前に確認すべき情報として、申込フォームの記入内容(課題感・会社規模)、セッション数・閲覧ページ(価格ページを見ているかどうか)などがあります。これらの情報をCRM(Salesforce等)に自動連携しておくことで、架電の質が上がります。SaaSのインサイドセールス体制の構築についてはSaaSインサイドセールスの設計と運用で詳しく解説しています。

デモ前アンケートの活用

デモ申込後に3問以内のアンケートを送り、「現在使っているツール」「今最も困っていること」「検討のタイムライン」を把握しておくと、デモ当日のカスタマイズ精度が上がります。回答率を高めるために、申込完了メールにアンケートリンクを埋め込む形式が効果的です。

デモ後フォローの設計

デモ後に送るフォローメールには、デモ当日に話した課題への回答、資料(製品概要PDF・導入事例)、次のステップ(トライアル・商談日程)への明確なリンクを含めます。「デモを実施しました」という報告ではなく、「次に何をすべきか」を示すメールがその後の商談化率に直結します。

デモのノーショー対策

デモを申し込んだのに当日現れない「ノーショー」は、BtoB SaaSでは20〜30%に達することがあります。インサイドセールスの架電コストが無駄になるだけでなく、パイプラインの数字が実態より膨らんで見える原因にもなります。

ノーショーを減らすために有効な施策は3つです。

申込完了直後にカレンダー招待を自動送信する仕組みは基本です。Googleカレンダー・Outlookの招待が入っていれば、相手のスケジュールに物理的に枠が押さえられるため、日程を忘れるリスクが大幅に減ります。Calendly・HubSpotのミーティングリンクはこの機能を標準で備えています。

デモ前日のリマインドメールでは、単に日時を伝えるだけでなく「事前に確認いただきたい資料」や「当日お伺いしたい内容」を添えることで、相手の関心を再喚起する効果があります。件名に相手の社名を入れると開封率が上がる傾向があります。

申込から実施までの期間が長い場合(1週間以上先)は、中間接点として「デモ当日に取り上げるテーマの事前アンケート」を挟むと、ノーショー率が下がります。回答することで「参加する」というコミットメントが強化されるためです。

デモの品質を上げる設計

申込率と商談化率を同時に改善するなら、デモ自体のコンテンツ設計を見直すことも重要です。

汎用的な製品デモは「自分の課題に合っているか判断できない」という理由で商談化率が低くなります。事前ヒアリングで把握した課題に合わせて、デモの進行を3パターン程度に類型化しておく方法が効果的です。たとえば「リード管理が課題の企業向け」「営業パイプラインの可視化が課題の企業向け」「既存のCRMからの移行が課題の企業向け」のように、入口で分岐させます。

デモの冒頭5分で機能を見せ始めるのではなく、「御社の現状と課題」を確認するヒアリングから入る進行がBtoB SaaSでは効果的です。相手が「わかってもらえている」と感じた状態で機能説明に入ることで、製品と課題のマッチングが自然に伝わります。

デモの終わりには「次のステップ」を必ず明示してください。「ご検討ください」で終わると、そのまま放置されるリスクが高い。「来週中にトライアル環境をご用意します」「社内共有用の資料を明日お送りします」など、相手が動かなくても進行するアクションを設定する方が商談化率が上がります。

デモCVRの改善指標

改善を継続するために、以下の指標を月次で追跡する運用を推奨します。

指標計算方法目安
デモページCVRデモ申込数 ÷ デモページ訪問数5〜10%
ノーショー率未実施数 ÷ 申込数15%以下が目標
デモ→商談化率商談化数 ÷ デモ実施数40〜60%
申込→受注リードタイム申込日から受注日までの平均日数業種により大きく異なる

CVRだけを上げても、ノーショー率が高かったり商談化率が低い場合は、申込フォームのハードルを下げすぎて質が落ちている可能性があります。CVR・ノーショー率・商談化率の3指標をセットで見ることで、バランスの取れた改善ができます。

デモ申込後のナーチャリング設計についてはBtoB向けメール自動化の設計と実践、SaaS全体のリード獲得戦略についてはSaaSのリード獲得を3倍にする施策設計も参考にしてください。

SaaSマーケティングの全体構造と戦略設計はSaaSマーケティング体系ガイドで解説しています。

よくある質問

Q. SaaSのデモ申込率の平均はどのくらいですか?

A. BtoB SaaSのデモページCVRは一般的に3〜8%が目安です。訴求がターゲットに合致していて、フォームが短い場合は10%を超えるケースもあります。自社のCVRが低い場合は、LPの訴求・フォームの長さ・CTA文言の順番で見直してください。

Q. デモLPのCTA文言は何が効果的ですか?

A. 「デモを申し込む」より「無料で試してみる」「30分のデモを予約する」の方がCVRが高くなる傾向があります。申込のハードルを下げる言葉(無料・30分・予約)と具体的な行動を示す動詞の組み合わせが有効です。

Q. デモ申込後の商談化率を上げるにはどうすればよい?

A. 申込後24時間以内の架電が最も商談化率が高く、48時間を超えると急激に低下します。架電前にWeb行動(どのページを見たか、申込フォームに何を書いたか)を確認し、課題感に合わせたトークを準備することで商談化率が上がります。

Author / Supervisor

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

マーケティング支援の実務経験を活かし、BtoB/BtoCの戦略設計から施策実行まで150件超のプロジェクトを統括。地場の店舗ビジネスからスタートアップ、上場企業まで、現場に入り込んで再現性あるマーケティングを構築する。セミナー支援では企画・運営・登壇まで一気通貫で手がける。

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